芸大生日記

私は東京芸大生だ。音楽学部だ。声楽科だ。今年入学したばっかりだ。

これだけで54人まで絞られる。

一応私は男性だ。声部まではあえて言及しないでおこう。

今日は、といってももう昨日だが、新学期一日目の授業だった。

雨が酷く降ったために一限のテストは時間が少し延びた。

ソルフェージュという単語を聞いたことがある人も多いだろう。

この単語は非常の意味が広い。聞くこと書くこと。これが主だと私は思っている。

 

そして同時に私が最も苦手とする分野だ。高3から本格的にそれらを学んだ私は、小さいころからピアノやバイオリンを弾いて生きてきたような人には到底敵わない。

ある意味で私は庶民の星かもしれない。受かった同級生を見ればやはりいろいろな意味で恵まれた環境で育った人のほうが多い。私は音楽的なことに関して言えば確かに恵まれてはいなかった。

だが、彼らの何人が川や海に釣りに行ったことがあるだろう?

山に入りタケノコを掘ったことがあるだろう?

田舎にいないとできない経験というものが私の強みだ。

ツワブキを採ってきて手を真っ黒にしながら皮をむいて煮込んで食べる。

そんな経験をして育ってきた私だ。舌は肥えている。

すこし脱線してしまったようだ。

 

これから毎日とは言わないが少しずつ芸大生の裏側を見せていきたいと思う。

まあ自分が感じたことを書き連ねるだけの駄文ではある。

が、しかし一般の大学とは一味違うユニークかつ奇妙な芸大生の姿を文字にして残していく所存である。芸大に入りたいなら。塾に行くよりレッスンを受けるためにコネを作れ。先生探しがすべての始まりだ。また会おう。